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神明社(花町)


古墳の上にあるのは神明社か屋根神様か



花町神明社

読み方しんめい-しゃ(はなちょう)
所在地名古屋市熱田区花町10-15 地図
創建年不明
旧社格・等級等不明
祭神不明
アクセス地下鉄名城線「西高蔵駅」から徒歩約6分
駐車場 なし
その他 
オススメ度

 花町にある神明社なのだけど、本社に架かっている提灯は、中央が熱田神宮、左右が津島神社、秋葉神社となっていて戸惑った。神明社ではない? 目的とは別の神社なのか? と。
 しかし、入り口鳥居の横には小さな石柱があって、そこには神明社と彫られている。たまたま近所の方とお話しさせてもらったので訊いたところ、やはりここは神明社だという。熱田、津島、秋葉の組み合わせは、典型的な屋根神様のものなのだけど。
 神社本庁への登録はなく、詳細は不明。
 本社左にある小さな社は塚神社という。最初、何のことか分からず、境内にある説明書きでなるほどと納得した。
 この神社は古墳の上に乗っている。だから周囲より一段高くなっているのだ。塚神社というのは古墳を祀る社ということだろう。



 現在、花町(はなちょう)となっているここは、かつて字(あざ)花の木という地区で、そこから花ノ木古墳(花之木古墳)と名付けられている。
 高蔵古墳群の中のひとつで、現存する数少ないうちの一基でもある。
 大正6、7年頃に登頂に祠を建てるために削られてしまったというから、この神社の創建はそのときかもしれない。
 6世紀中頃の須恵器などが出土していることから、古墳時代後期に当たる。



 高蔵のこのあたりは貝塚や環濠集落跡、竪穴住居跡などが見つかっており、古くから人が暮らしていた土地だったことが分かっている(高蔵遺跡)。
 5世紀から6世紀にかけて中小多くの古墳が築かれ、6世紀後半には高座結御子神社の周囲に複数の円墳が造られた(明治の調査では7基が確認されている)。
 いくつかの古墳や遺跡で調査が行われ、多くの土器や石器などの遺物が見つかっている。ただ、現在、遺跡の大部分は取り壊されて残っていない。
 高座結御子神社の稲荷社の隣の3号墳と呼ばれるものは、ある程度原形をとどめている。
 これらの古墳群と高座結御子神社との関係や、熱田の断夫山古墳と尾張氏との関連などは興味深い。高蔵一帯に古くから暮らしていた人々は最初から尾張氏の一族だったのか、別の一族が尾張氏に取り込まれる恰好になったのか。



 神社のすぐ下に、杉山不動明王のお堂がある。
 力のあるお不動さんということで、参る人も多いという。
 古墳の上にいつ誰が神社を建てたのかははっきりしないけど、町内の人たちが守ってきたであろうことは想像がつく。
 そういうお世話をしてきた人たちの高齢化というのが近年問題となっているものの、それでもやっぱり世代を超えて受け継がれ、守られていくのだと思う。




作成日 2017.8.13(最終更新日 2019.9.4)  


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