笠寺天満宮がある東光院の少し南のはす向かいにあるお堂。カグツチを祀る秋葉神社とのことだ。 『南区の神社を巡る』もいつ頃どういういきさつで建てられたのか調べがつかなかったようだ。 この場所を考えると、江戸時代には創建されていたのではないかと思うけどどうだろう。
笠寺観音(笠覆寺/web)の前を東西斜めに走っているのが旧東海道だ。ここは西の熱田の宿と東の鳴海宿とのちょうど中間あたりで、笠寺は鳴海宿の助郷村だった。 東海道は笠覆寺の境内を横切って通された。そのため、東海道を通る旅人たちの多くが参拝に立ち寄ることになった。 笠覆寺から南に延びる細い道の左右に、かつて12の宿坊が建ち並んでいた。泉増院や東光院もそのうちのひとつで、現存する4つの宿坊の残り2つは、西福院と西方院として場所を移して今も続いている。 その当時、この宿坊があるエリアは寺町と呼ばれており、秋葉神社があるあたりはだいぶ南の方に位置している。 神社がある大門(だいもん)とという地名がどこから来ているのか、ちょっと調べがつかなかった。 秋葉神社の南東あたりにかつて池があり、仁王池と呼ばれていた。それは池のほとりに仁王門があったためだ。その仁王門が現在の笠覆寺にある門で、江戸時代に入って東海道が整備されたときに現在地に移された。 大門の地名はその仁王門から来ているのか、それとも別の大門があったのか。
いずれにしても、そんな宿坊が並んでいた時代に火防せの神として秋葉権現を祀ったというのは充分考えられることだ。 神社はブロック塀で囲まれ、入り口に取り付けられたサッシの扉は開かない。 そこから中をのぞき込むと、やや荒れている印象だ。誰が管理やお世話をしているのかは分からない。 現状では賽銭も入れられないので少し残念に思えた。
作成日 2018.3.3(最終更新日 2019.8.22)
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