川原神社の道を一本挟んですぐ東にある小社。注連縄をした木の正面に置かれていることからして、この木を祀っている社のようだ。 こういう場合は龍神を祀ることが多いのだけど、絶対にそうとは言い切れず、この木そのものが御神木ということもあり得る。
それにしてもこの木は何の木だろう? 神社の御神木によくなっている楠(クスノキ)や榎(エノキ)ではなさそうだ。榊(サカキ)かとも思ったのだけどやはり違う気がする。 葉っぱには光沢があり、先の方がしゅっと細くなっている。周囲はギザギザではなく、枝に対して交互に葉が付いている。わりと特徴のある葉っぱだから知識のある人なら一目で分かりそうだけど、私には判別ができなかった。せめて花か実がついていれば調べる手がかりになったのだけど。 葉が半分ほど黄色くなっているのは紅葉ではなく少し枯れかけているのかもしれない。
この木と社を管理しているのが川原神社なのかどうかは分からない。敷地としては川原神社のものではなく、すぐ隣にある会社のものだと思う。 明治中頃(1888-1898年)の今昔マップを見ると、少し北に役場の地図記号がある。川名の村役場がここにあったようだ。その役場とこの社が関係するかどうか。 東隣の川名本町6丁目に戦国時代は佐久間氏の川名北城があったとされる。戦国時代すでにこの木がここにあったかというと、それもなんとも言えない。樹齢400年を超えるほどの大木ではないから、そこまで古くはないのではないか。
川原神社が『延喜式』神名帳(927年)の川原神社に当たるかどうかは見解が分かれるところなのだけど、川名の集落の成立はかなり古いと見て間違いなさそうだ。なので、古木の一本や二本あっても当然ではあるのだけど、それにしてもそれほど古い時代からこの木を祀っていたとは思えず、案外新しいのではないかと思う。たとえば戦後とかも充分にあり得る話だ。社の土台もかなり新しい。 何しろ情報がまったくないので、これ以上のことは分からないし推測もしようがない。 まずはこの木が何の木か知ることから始めないといけない。 やはり川原神社の方に訊ねるしかないだろうか。 供えられている榊は新鮮で、日常的にお世話をしていることが伺える。隣の会社の人なのか、近所の人なのか、その方に訊くという手もある。 何か分かれば追記したい。
作成日 2018.12.1(最終更新日 2019.3.21)
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