二名社

熱田新田の再出発として二神に来てもらった

二名社

読み方 にみょう-しゃ
所在地 名古屋市港区寛政町6丁目1-2 地図
創建年 1859年(江戸時代末)
旧社格・等級等 村社・十三等級
祭神 天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)
倭武命(やまとたけるのみこと)
アクセス あおなみ線「荒子川公園駅」から徒歩約12分
駐車場 なし
webサイト  
オススメ度

 二名社とは変わった名前だ。祭神としてアマテラス(天照皇大神)とヤマトタケル(倭武命)を祀ることから来ていると知って納得したのだけど、神様を一名、二名で数えていいものかどうか。
『愛知県神社名鑑』は「にみょう」とフリガナを振っている。港区のページでは「nimei」になっている。どちらが正しいのか分からないのだけど、このサイトは基本的に愛知県神社庁に準じることにしているので、ここでは「にみょう」としておく。

『愛知県神社名鑑』はこの神社についてこう書いている。
「創建は安政六年(1859)3月15日と伝う。明治5年、村社に列格する。昭和34年9月伊勢湾台風により社殿被災したが氏子の尽力により復興した。昭和37年1月16日港区港北町2丁目47番地、199.11坪の社地を購入する」

 港北町は神社のある寛政町のすぐ北で、2丁目47番地が正確にどこなのかは分からないのだけど、約200坪の土地を買ったという情報は必要だろうか。もっと他に書くべき情報があるようにも思うのだけど。
 港北町2丁目は港北中学や市営港北南荘が大部分を占めている。その他、店舗や土古西公園などがある。今でも二名社はその土地を所有しているのだろうか。

 神社がある場所は熱田前新田だった場所で、寛政12年(1800年)に開発された。寛政町の町名はそこから来ている。寛政町は熱田前新田の西半分に当たり、東半分は熱田前新田のまま名古屋市に編入された。
 今昔マップの明治期(1888-1898年)のものを見ると、東西に築かれた堤防沿いに道があり、その道沿いに家が並んでいたことが分かる。
 二名社があるのは堤防下に当たり、場所は当時から変わっていない。
 一時期、善進町の神明社とひとつになっていたという話があるのだけど、明治半ばから現代にかけての地図をみると鳥居マークはずっと消えずにある。そのあたりのいきさつがどうだったのか、調べがつかなかった。
 創建が幕末の1859年(安政6年)ということで、『尾張志』(1844年)や尾張徇行記(1822年)には載っていない。

 安政6年といえば、ちょうど安政の大獄が行われていた時期で(安政5年から安政6年にかけて)、尾張藩でも将軍継承問題が絡んだゴタゴタが起きていた時期だ。尾張藩第14代藩主・徳川慶恕(後の慶勝)は井伊直弼の方針に反対して隠居処分を食らっている。
 お上のやっていることなど庶民には関係がないといえばなかったのだろう。農民には農民の日々の暮らしがある。
 神社創建がこの時期だったのには理由がある。
 熱田前新田は1800年(寛政12年)に第9代藩主・宗睦によって尾張藩直営事業として行われたもので、現場責任者は尾張藩熱田奉行の津金胤臣が当たった。
 財政難に苦しみながらも半年の突貫工事によって翌1801年に完成した。
 その熱田前新田は、安政2年(1855年)8月の暴風と高潮で堤防が決壊して田んぼは海水に浸かって駄目になってしまう。
 しかし、藩は財政難でとてもではないけど修繕費が出せないということで、新田はそのまま放置されることになった。
 そこで地主総代だった伊藤次郎左衛門(いとう呉服店)や内田忠次郎(内海屋)たちが年貢免除を条件に修理費を出すことを藩に願い出て、それが了承されることになった。
 つまり、安政6年というのはこういった流れを受けてのもので、創建者はおそらく伊藤次郎左衛門たちだったのではないだろうか。田んぼの守り神としてアマテラスとヤマトタケルを呼んだということだろう。最初から二名社と名づけたのかどうかは分からない。

 今昔マップの明治以降を見ると、明治、大正、昭和、戦中、戦後まで、このあたりの風景はあまり変わらなかったようだ。堤防と道路沿いに民家が並ぶ以外は広大な水田が広がっており、その中にぽつんと小碓小学校だけがある。現在のように宅地化されたのは戦後しばらく経ってからのことだ。
 昔の二名社がどんなふうだったのか古い写真でも見たみたい。今は住宅地の中にあって、なんというか境内ががらんとしている。鎮守の杜といった風情はまったくなく、広場に社殿だけが置かれたみたいな感じだ。すべての木の枝をばっさり落としてしまって緑というものがない。
 昔はもっといい神社だったろうに。ちょっと残念な思いで二名社を後にすることになった。

ブログ記事(現身日和【うつせみびより】)

緑も大事だと再認識する港区の二名社

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