八幡神社(港陽)

いつ誰がここに八幡社を建てたのか

港陽八幡神社

読み方 はちまん-じんじゃ(こうよう)
所在地 名古屋市港区港陽2丁目5 地図
創建年 不明
旧社格・等級等 不明
祭神 不明(おそらく応神天皇)
アクセス 地下鉄名港線「築地口駅」から徒歩約14分
駐車場 なし
webサイト  
オススメ度

 港陽1丁目にある八幡神社。社号標には「港陽八幡神社」とあり、それが正式名かもしれないし、通称かもしれない。
 港区は江戸時代の干拓と明治になってからの埋め立てによってできた新しい土地ということもあってか、八幡社が少ない。東茶屋の八幡社とこの港陽八幡神社の二社のみだ。
 東茶屋の八幡社は江戸時代前期の1663年創建なのに対して港陽の八幡神社は新しい神社ではないかと思う。明治以降か、昭和に入ってからという可能性もある。創建についての詳しいいきさつは調べがつかなかった。

 今昔マップで明治中頃(1888-1898年)以降の変遷を辿ってみる。
 明治期はまだ田んぼしかない場所だった。ここは熱田前新田の東側を延ばす形で干拓して熱田築地前新開を作った場所に当たる。それが1837年のことだった。
 その後、尾張藩御用商人の伊藤次郎左衛門、内田忠蔵、関戸哲太郎らが引き継いで作良新田(さくらしんでん)と改称した。
 神社がある港陽一帯に民家はなく、もっと北西の堤防沿いに民家が並んでいた。ここは熱田前新田と作良新田とを隔てる堤防で、今は国道154号線になっている。
 作良新田の南を埋め立てて名古屋港を造ったのが明治40年(1907年)のことだ。
 1920年(大正9年)の地図を見ると、名古屋港のエリアはすでにかなり発展していることが分かる。
 港陽のあたりには巨大な貯木場ができた。一部で魚の養殖もしていたようだ。
 北側の千年のあたりにはまだ広い田んぼが残っている。
 鉄道は市電江川線で、今の地下鉄名城線(名港線)の前身といえる路面電車だった。
 1932年(昭和7年)の地図を見ると、卍マークが現れる。今の善光寺で、名古屋三弘法のひとつとされるお寺だ。
 もともと千種の元古井にあった臨江寺を移したもので、大正12年(1923年)に寺号を今のものにあらためた。
 戦後は
貯木場が縮小(移転)して、北側に扶桑金属工場という大きな工場群ができた。途中で住友軽金属となり、古河スカイに吸収合併されて今はUACJ製造所となった。
 戦時中、港陽には高射砲陣地があった。当然、空爆の攻撃目標になったはずで、1947年の地図を見るとこのあたり一帯は空白地になっている。
 戦後、港陽には一時期、
港陽園と呼ばれる赤線地帯があった。
 戦前まで稲永にあった稲永遊廓が空襲で被害にあったことを受けて、店の一部が港陽に移ってきて歓楽街を形成した。最盛期は50軒近い店があったという。
 戦後間もなくの昭和21年には公娼制度が廃止されたものの、昭和31年に売春防止法ができるまでは赤線地帯というものが各地にあった。
 港陽園は昭和33年に新世界商店街として再出発するも、すっかりさびれてしまい、その後はマンションが建ち並ぶ住宅地となった。港陽園だった頃の面影はほとんど残っていない。
 1950年代は地図がないのでこの頃の様子は分からない。
 1968-1973年の地図で、今の場所に鳥居マークが現れる。だからといってこの時期に創建されたと決めつけることはできない。
 この頃までには民家や工場が建ち並んで現在と変わらない街並みになった。
 町名のことをいうと、昭和24年(1949年)に熱田前新田と千年の各一部より港陽町が成立した。日の当たる名古屋港といった意味で名づけられたという。
 昭和48年(1973年)に港陽町と千年の各一部より港陽1丁目から3丁目が成立した。

 この八幡神社の創建時期については何とも言えない。どうして八幡社だったのかも分からない。
 鳥居裏に「昭和十一丙子年」・「千年二ノ割氏子中」とあるので、遅くとも昭和11年には建っていたということだ。
 昭和11年当時のこのあたりは貯木場しかないような場所で、千年といえばもっと北の田んぼがあったあたりだから、もしかするともともと千年にあったものを戦後になってこの場所に移したのかもしれない。
 社号標裏は「昭和廿八年十一月建立」と刻まれている。移したとしたらこのときという可能性があるだろうか。
 入り口の木製の額には「八幡宮」とあり、鳥居の扁額は「八幡神社」、社号標は「港陽八幡神社」となっている。
 社は全面的な石造になっている。本社も両脇の末社もだ。たまに見かけるけど珍しい。
 向かって左が「御霊社」、右が「秋葉社」とある。
 境内社に櫻龍神社と稲荷社がある。

ブログ記事(現身日和【うつせみびより】)

港陽園と関係があるのかないのか八幡神社

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