若宮八幡社(西米野町)

水の気が満ちた街中のオアシス的穴場神社

若宮八幡社境内と拝殿

読み方 わかみや-はちまん-しゃ
所在地 名古屋市中村区西米野町1-79-2 地図
創建年 不明
社格等 村社・十二等級
祭神

仁徳天皇(にんとくてんのう)

アクセス

・地下鉄桜通線「中村区役所駅」から徒歩約3分
・駐車場 なし

webサイト  
オススメ度 **

 若宮八幡社といえば、中区栄にある名古屋総鎮守の若宮八幡社(公式web)が名古屋ではよく知られている。
 栄の若宮八幡社も正体がよく分からない神社なのだけど、中村区の若宮八幡社についてはほとんど何も分からない。栄の若宮八幡社から勧請したのか、よその八幡社の若宮から勧請して創建したのか、そのあたりについても何も伝わっていない。
 ただ、少し面白いいきさつがあったことが分かっている。
 明治42年(1909年)に米野町の熊野社に合祀されたのに、昭和に入って旧氏子の希望で分離独立したというのだ。
 いろいろ神社のことを調べてきたけど、そのパターンは初めてだ。それが昭和26年(1951年)のことという。戦後復興もだいぶ進んで、うちにあった神社を取り戻そうという気運が高まったということなのだろう。
 この後行くことになった熊野社の社号標に熊野社と若宮八幡社と並んで社名があり、どういうことだろうと思ったら、こういういきさつがあったのだ。

『愛知縣神社名鑑』は「創建は明かではない。古くより此地氏神として鎮座し」としている。
 若宮八幡社というのは明治に合祀される前の旧称ということだけど、もともと本当に若宮八幡社として創建された神社だったのだろうか。実際にこの神社を訪れてみると、どうもそんな気はしない。
 若宮八幡というのは、八幡神とされた応神天皇の若、つまり子供の仁徳天皇のこととされるのが一般的だ。しかし、仁徳天皇は神として祀られるほど特別な実績を残しているとは言い難く、特に尾張とは直接的な関係はない。そんな仁徳天皇を尾張の片田舎に村の氏神として祀るだろうか?
 もし、実際にそうだったとしたならば、それは栄の若宮八幡社と無関係ではなかっただろう。しかし、栄の若宮八幡社についても、仁徳天皇を祀るとしていることに個人的には疑問を持っている。
 とはいえ、どこかの時点で若宮八幡社という名称となり、仁徳天皇を祀るとしたということは事実で、それを軽々しく覆すようなことはできない。神社側がそういっているのならそういうことだと受け入れるしかない。

  この神社に私が感じたのは、水の気といったものだった。
 龍ヶ池と名付けられた池があり、池の中島に龍徳辨財天が祀られている他、龍輝辨財天、白龍大神を祀る社がある。
 いずれも水にまつわる神だ。
 地理的なことをいうと、名古屋駅の西のこのあたりは低湿地帯で、古代は海の底だった。
 それでも米野あたりはわりと古くから街道沿いに集落があり、若宮八幡社も時代的にはかなりさかのぼれるのではないかと思う。
 かつては大小の川が流れており、その水害に悩まされていたであろうことは想像がつく。そこに弁才天や龍神を祀るというのは自然といえば自然なことだろう。
 本社の神が何だったかを推理することは難しい。やはり不明とするしかない。

 訪れた日はいい天気で新緑の木々が作り出す光と影のコントラストが美しかった。
 水の気と光に満たされていて境内は居心地がいい。街中にもかかわらず森の中にいるようだ。
 車で入っていくのが難しい場所にあるせいもあって、訪れる人は少ないのではないだろうか。
 ちょっとした穴場としてオススメしたくなる神社だ。

ブログ記事(現身日和【うつせみびより】)

中村区のオアシス若宮八幡社

HOME 中村区

スポンサーリンク

Scroll Up