笠寺地区には秋葉神社が多い。その中でも古い秋葉社があり、それらは笠寺の七つの町内でそれぞれ祀っていた秋葉社だ。 市場(いちば)、大門(だいもん)、笠迫(かさま)、中切(なかぎり)、新町(しんまち)、西之門(にしのもん)、松本の七つの町内がそうだ。 ただ、中切の秋葉神社は現存せず、新町と市場の秋葉神社は七所神社(地図)の境内に移されている。 この秋葉神社もそのひとつで、西之門の地名は笠寺観音(笠覆寺/web)の西ということから来ているのだと思う。 神社の前の道が旧東海道で、古くからの店が建ち並び、風情がある。江戸感ではなく昭和レトロ感だ。 今昔マップの明治中頃(1888-1898年)に往事の町並みの様子が見てとれる。
神社の隣は笠寺町西之門公会堂で、「軽海測量事務所」の看板がかかっている。 神社と一体化している感じもあって、一見するとこの事務所の神社のようにも見えるけどそうではない。 神社は木の門が閉ざされていて中に入ることができない。門の前の階段で参拝はできるけど変な感じだ。これでは賽銭も入れられない。もう少し開放的でもいいと思うのだけどどうだろう。
神社創建のいきさつについて詳しいことは伝わっていないようだ。 『南区の神社を巡る』は江戸時代初期には創建されたのではないかとしている。 1601年から1603年にかけて東海道が整備されて、笠寺観音の門前町として店や民家が建った頃に火除けとして秋葉権現を祀ったことは充分に考えられる。 昭和30年代までは漆塗りの神輿があって祭りの日に町内を練り歩いたそうだ。 今も細い通り沿いには、金物屋、呉服屋、甘党の店、うどん屋、花屋、うなぎ屋、菓子屋などといった小さな店が並んでいる。。 カグツチ神は今もそんな町を守っている。
作成日 2018.3.6(最終更新日 2019.8.24)
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