ウケモチ《保食神》

ウケモチ《保食神》

『古事記』表記 なし
『日本書紀』表記 保食神
別名  
祭神名 保食神・他
系譜 不明
属性 食物起源・牛馬
後裔  
祀られている神社(全国) 岩内神社、猿賀神社、金峰神社、玉崎駒形神社、竹駒神社、箭弓稲荷神社、建穂神社、わく繰神社、犬頭神社、亀山八幡宮、一部の稲荷社
祀られている神社(名古屋) 稲荷社(八百島)(港区)、稲荷社(義市稲荷)(東区)、生玉稲荷神社(守山区)、寶田社(八番)(熱田区)、七所社(岩塚)(中村区)、伊奴神社(西区)
『古事記』には登場せず、『日本書紀』一書(第十一)でのみ語られる神。
 天照大神(アマテラス)は月夜見尊(ツクヨミ)に、葦原中国に保食神(ウケモチ)という神がいるようだから会いにいくように命じ、ツクヨミが出向いてみるとウケモチは訪れたツクヨミを歓待しようと様々な食べ物を用意した。
 首を廻すと口から飯が、海を向くと口から鰭の小さな魚が、山を向くと毛の固い獣や毛の柔らかい獣が口から出てきた。それを見たツクヨミは、汚らわしいと怒り、ウケモチを斬り殺してしまう。
 そのことを戻って報告するとアマテラスは激しく怒り、両者は絶縁することになる。それ以来、昼と夜が分かれたとする。
 アマテラスに遣わされた天熊人(アメノクマヒト)が見にいくと、頭頂部からは牛馬が、頭から粟が、眉からは蚕が、眼の中に稗が、 腹の中には稲が、陰部からは麦と大豆、小豆が化成していたのでこれらを持ち帰ってアマテラスに報告した。するとアマテラスは喜び、これらは人の暮らしに必要なものだから分け与えたという話が語られる。
 このことからウケモチは食物の神とされている。ウケは食物のことで、モチは保または貴(ムチ)のことと考えられる。
『古事記』ではよく似た話が速須佐之男命(スサノオ)と大気津比売神(オオゲツヒメ)との間で展開される。そこでは高天原を追放されたスサノオがオオゲツヒメに食物を求めたところ、口から出したので汚らわしいと怒って斬り殺したら様々な食物が生まれたという話になっている。
 京都の伏見稲荷大社(web)の祭神が同じ食物神の宇迦之御魂(ウカノミタマ)のため、全国の稲荷社もそれに倣っているところが多いのだけど、一部の稲荷社ではウケモチを祭神として祀っている。
 名古屋では港区の稲荷社(八百島)、東区の稲荷社(義市稲荷)、守山区の生玉稲荷神社、熱田区の寶田社(八番)が主祭神としている他、中村区の七所社(岩塚)、西区の伊奴神社で祭神に名を連ねている。

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