アメノマヒトツ《天目一箇神》

2020年1月3日

アメノマヒトツ《天目一箇神》

『古事記』表記 なし
『日本書紀』表記 天目一箇神
別名 天之麻比止都禰命、天久斯麻比止都命、天之御影神、天之御蔭命、天津麻羅、天久之比命、天戸間見命、天奇目一箇命、天目一箇命、天目一箇禰命、天戸須久根命、天照眞良建雄命、明立天御影命
祭神名 天目一箇神・他
系譜 (父)天津彦根命(『古語拾遺』)
属性 鍛冶
後裔 忌部氏
祀られている神社(全国) 天目一神社(兵庫県西脇市)、鞴神社(大阪府大阪市)、竹田神社(滋賀県東近江市)
祀られている神社(名古屋) 金山神社(金山町)(熱田区)
『日本書紀』で国譲りについて書かれた第九段一書(第二)に登場する神。
 天神(アマツカミ)は經津主神(フツヌシ)と武甕槌神(タケミカヅチ)に葦原中国の平定を命じ、地上にいた大己貴神(オオアナムチ)はそれをいったんは拒否する。それに対して高天原の高皇産霊尊(タカミムスビ)は現世のことは天孫が治めるから、オオアナムチには神事(かむこと)を治めてほしいと提案し、オオアナムチはそれを受け入れる。
 タカミムスビは、大物主神(オオモノヌシ)に自分の娘の三穗津姫(ミホツヒメ)を妻にするよう命じ、永遠に皇孫(すめみま)を守るように言いつける。このとき、天目一箇神(アメノマヒトツ/アマノマヒトツ)を「作金者(かなだくみ)としたという形で登場する。
『古事記』に同名の神は出てこないものの、天照大御神(アマテラス)が天の岩屋戸に閉じこもってしまったとき、思金神(オモイカネ)が天安河(あめのやすかわ)の上流の天の堅石と天の金山の鉄を材料に、鍛冶屋の天津麻羅(アマツマラ)と鏡の神の伊斯許理度売命(イシコリドメ)に鏡を作らせたという話があり、この天津麻羅が同一神とされる。
 同様の話が『古語拾遺』にもある。アマテラスが天の岩屋戸に隠れた時に天目一箇神が刀剣、斧、鉄鐸などの祭具を作ったと書いている。
 同書によると、天津彦根命(アマツヒコネ)の子で、崇神天皇のときにアメノマヒトツの子孫とイシコリドメの子孫が神鏡を再び鋳造したともいっている。
 また、筑紫国・伊勢国の忌部氏の祖としていることから天太玉命(アメノフトダマ)と同一神とする説もある。
『播磨国風土記』では天目一命の名で登場し、土地の女神・道主日女命(ミチヌシヒメ)が生んだ子の父親とされている。
 一つ目の名前は、鍛冶が片目をつむる仕草から来たとも、火の粉を浴びて失明することが多かったことから来ているともされ、よく似た一目連(いちもくれん/ひとつめのむらじ)と同一神とされることもある。
 天目一箇命を祀る神社としては、兵庫県西脇市の天目一神社(式内社)、大阪府大阪市の鞴神社、滋賀県東近江市の竹田神社などがある。
 金屋子神の総本社とされる島根県安来市の金屋子神社で祀られる金屋子神は、金山彦・金山媛や天目一箇神のこととする説もある。
 名古屋では熱田区の金山神社(金山町)が金山彦命とともに天目一箇命を祀っている。

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