カナヤマヒコ《金山彦神》
カナヤマヒコ《金山彦神》 |
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『古事記』表記 | 金山毘古神 |
『日本書紀』表記 | 金山彦神 |
別名 | |
祭神名 | 金山彦命・他 |
系譜 | (親)伊弉冉神(イザナミ) (対)金山毘売神/金山姫神(カナヤマヒメ) |
属性 | |
後裔 | |
祀られている神社(全国) | 南宮大社(岐阜県)をはじめとする全国の金山神社、金屋子神社(島根県安来市)、黄金山神社(宮城県石巻市)、御金神社(京都府京都市) |
祀られている神社(名古屋) | 金山神社(金山町)(熱田区)、金山神社(長戸井町)(中村区)、金神社(山田天満宮内)(北区)、琴飛羅社(星﨑)(南区) |
記紀ともにイザナミが火の神カグツチを生んで女陰にやけどをして苦しんでいるときに嘔吐物から生まれた神としている。 『古事記』は金山毘古神(カナヤマヒコノカミ)と金山毘売神(カナヤマヒメノカミ)が生まれたとしているのに対して、『日本書紀』一書(第四)は生まれたのは金山彦のみとしている。 『古事記』がいう「多具理」は何かを暗示しているのだろうけど、一般的には嘔吐物と解され、溶けた金属を鋳造するなどのイメージと重なり、金物全般の神とされた。 カナヤマヒコを祀る総本社は岐阜県不破郡垂井町にある南宮大社(web)とされる。『延喜式』神名帳(927年)では「仲山金山彦神社」となっているので、早くからカナヤマヒコを祀る神社だったようだ。 南宮大社社伝によると、神武東征の際に金鵄(金色のとんび)を遣わせて八咫烏を助けて戦勝をもたらした功績により、神武天皇即位後に南宮山に祀ったのを始まりとしている。カナヤマヒコは美濃地方の有力豪族の首長と考えるのが自然かもしれない。 全国の金山神社は南宮大社から勧請して祭神をカナヤマヒコとしているところが多い。 金属加工その他の企業でもカナヤマヒコを祀っているところがたくさんあり、トヨタ自動車も社内の豊興神社でカナヤマヒコとカナヤマヒメを祀っている。 名古屋では熱田区の金山神社(金山町)、中村区の金山神社(長戸井町)の他、北区の金神社(山田天満宮内)、南区の琴飛羅社(星﨑)がカナヤマヒコ(金山彦)を祭神としている。中川区にある金山神社(玉船町)の祭神は不明ながら、おそらくカナヤマヒコだろう。カナヤマヒメを祀る神社は名古屋にはない。 金山総合駅がある熱田区金山の地名は、この金山神社が由来となっている。 |