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あるようでない名古屋十名所

 今日の1ページは東区の久屋金刀比羅神社
 大正13年に新愛知新聞(中日新聞の前身のひとつ)が選んだ名古屋十名所のうちのひとつ。
 しかし、顔ぶれをみると、誰がどういう基準で選んだのかよく分からない。
 名古屋城、熱田神宮は当然としても、笠寺観音は微妙だし、闇ノ森、榎ノ権現、櫻田勝景、圓頓寺などは本当かなとちょっと疑う。さらに、山田元大将之社と天理教々務支庁に至っては本気とは思えない。もっと他になかったのだろうか。
 たとえば、大須観音とか東別院とか建中寺とか、他にも候補になるものは思いつきそうなものだ。
 しかし、名古屋に名所と呼べるところは昔からそんなになかったということか。
 平成時代の今、十の名所を選ぶとしたらどこがいいだろう。けっこう難問だ。
 テレビ塔、東山動植物園を挙げたら、あとが続かない。名駅の高層ビル群や地下街では漠然としすぎている。オアシス21、名古屋港水族館、リニア・鉄道館、大須商店街といったあたりだろうか。
 ただ、それらも名所というのとは少し違う。
 大正時代に選定するときもなかなか十ヶ所見つけられずに苦心してひねり出したのがあの十ヶ所だったのかもしれない。 
 

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