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『南区の神社を巡る』を見習うべき

 今日の1ページは南区鳴浜町の千鳥神社
 昭和33年創建という新しい神社だからそこにはたいした物語や歴史はないだろうと思いきや、神懸かりのお告げで八大竜王を祀ったというのは興味深い話だ。
 池を埋め立てたときに龍神を祀るというパターンはわりとあるのだけど、こういうお告げ系のものはそれほど多くない。名東区の三徳龍神社などがそうだ。
 そういう話としては伝わっていなくても、実際はそうだったという神社が案外あるのかもしれない。

『南区の神社を巡る』は、なかなかにいい仕事をしていて、『愛知縣神社名鑑』にも江戸期の書にも載っていない、ネットにもない情報を多く提供してくれる。
 南区が公式に出したものではなく、南歴遊会というグループの方たちが自分たちで調査したものをまとめた本で、非売品となっているから店で売るつもりで作ったものではないことが分かる。
 誰にも頼まれていないのに勝手にやるという精神に共感を覚える。この神社サイトもそうだから。
 資料にも当たっているのだけど、それよりも関係者への聞き取り調査を主体とした現場主義の姿勢が素晴らしく、私も見習う点が多い。
 どの区もこれくらいやっていてくれると私も楽ができるのだけど、名古屋市の図書館にある区別の神社本でこれを超えるものはないと思う。
 南区の神社に関しては、この本をベースに私なりの調査や知識を付け加えるという形になる。江戸期の史料に関する補強と、あとは地形のことと歴史のことについて補うといった感じだ。
 この神社サイトも誰かの役に立つものであれば嬉しい。

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