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母方の重要性

 神様事典【名古屋編】玉依姫を全面的に書き直した。
 古代史の中で女性の存在は裏に隠れがちで重視する向きも少ないのだけど、女性が果たした役割は絶対に大きかったはずで、母系社会だったであろう古代においてはなおさらだ。
 男子は母方の一族が責任を持って養育していたとされるから、育ったその子は大人になって母方の家を大事にしたに違いなく、そもそも婚姻は嫁の側の一族によって決まっていただろう。
 玉依姫についていえば、神武天皇の母とされるのだから重要な意味があったはずで、そのことをぼやかしているところに引っかかりを感じる。
 天皇家は何代にもわたって海神の一族と強いつながりを持っていたようだから(記紀の中では)、そのことにも意味がある。
 玉依姫の母、海神の妻は誰でどこの一族だったのか?
 都合が悪くて隠したのではなく守るためだったのだろうけど、そこはひとつ重要な鍵を握っている。
『先代旧事本紀』が伝える玉依姫と彦火火出見尊との間の武位起とその子の椎根津彦の系譜が、隠された事実の裏側を知るための手がかりになるんじゃないかとも思う。

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